文豪たちが特殊な能力をもちながら、様々な事件や戦いに立ち向かう姿が描かれている文ストこと「文豪ストレイドックス」。
この文ストの中での江戸川乱歩は、武装探偵社の社員。
彼の特殊能力、すなわち異能力を表すことばに、「超推理」が使われていますが
これは一体どんなもので、元ネタはなんのでしょうか?
「超推理」元ネタは?
「超推理」の元ネタは江戸川乱歩の職業です。
文ストの乱歩のモデルとなったのは実際の推理小説家 江戸川乱歩先生(1894年
~1965年)ですね。

日本の年号でいうと、明治27年から昭和40年までを生きた小説家ですね!
読み方は「えどがわらんぽ」です。
怪人二十面相(1936年)や、D坂の殺人事件(1925年)などの怪奇ものでも有名です。
しかし元ネタは作品にあるのではないのですね。
江戸川乱歩先生自身が、売れっ子の推理小説作家だったから、というところで
文ストの乱歩が推理力があるという人物になっているのですね。
ただ、「江戸川乱歩」は本名ではなく、ペンネームです。
小説家江戸川乱歩の本名は、平井太郎(ひらいたろう)さんです。
江戸川乱歩先生が、なぜこのペンネームにしたのかの由来は、
アメリカ人の文豪エドガー・アラン・ポー(1809年~1849年)の名前のもじりだそうです。
エドガー・アラン・ポーは、自国のアメリカだけではなく、世界における近代推理小説の開祖となる人物だったので
日本の江戸川乱歩も、影響を受けたのでしょう。
ポーも江戸川乱歩先生も、おふたりとも特別に偉大な推理小説家ということですね。

そういう元ネタ故に、ただの推理ではなく「超推理」と言えちゃうわけか!
「超推理」元ネタ 江戸川乱歩は異能者?
文ストの江戸川乱歩は、人の過去を見抜いたり、これからの事を予知しています。
これが異能であると思っていましたが。

異能じゃないのですか!?
「(異能でなく)ただの能力」、という解釈と「異能だ」というものの賛否両論あるそうです。
「異能者ではない)ただの能力」だと思える理由には、そもそも乱歩は、異能だと思い込んでいただけだからです。
観察眼と推理力が人一倍優れているだけだったんです。
(次の章で経緯を詳しくみていきますが)
ただ自分自身の優秀者が分かっていかなったために、世間と馴染めずにいた。
そこに福沢諭吉(武装探偵社の社長)との出会いがあり、「お前のこのずば抜けた推理力は異能だ!」と言われて、ある意味乱歩は、生き方が救われた。
あと、乱歩は自分の能力が異能ではないことを自覚しているシーンがありますね。
これも後でおさらいしていきましょう。
あと、たしかに、乱歩だけ異能力「超推理」の名前の由来が、著者、また本人の著書に由来していないんですよね。
他の登場人物とその異能力の名前」の元ネタを調べてみました。
中島敦:異能力名は「月下獣」この元ネタは中島の著書から
太宰治:「人間失格」元ネタは太宰の著書から
国木田独歩:「独歩吟閣」元ネタは国木田の別称
与謝野晶子:「君死給勿」ネタは与謝野の著詩
谷崎潤一郎:「細雪」元ネタは谷崎の著書から
泉鏡花:「夜叉白雪」元ネタは泉の著書
福沢諭吉:「人上人不造」元ネタは福沢の著書の冒頭の一部
田山花袋:「蒲団」-田山の著書から
江戸川乱歩:「超推理」元ネタは、モデルの江戸川乱歩先生が推理小説家だったから
そして文スト中の乱歩の異能に匹敵するほどの推理力からきている、というわけです。

たしかに皆さん書著や著者ご本人と直接関係していますね!乱歩さんとは違っています。
一方、「異能だ」という考えの裏づけにもなるのは、
文ストの太宰さんの異能力「人間失格(異能無効化)」が、乱歩には効かないことです。
なので「探偵社最強の男」「異能者すら超えた超越者」と謳われています。
これはある意味では最強の異能とも言えるかもしれません。

異能ともいえるし、異能でないとも。どちらにも取れるような気がしてきましたね。
「超推理」 江戸川乱歩の異能なの?内容をおさらい
さて、乱歩の異能といわれる「超推理」。
これは事件の情報を聞き、福沢からもらった眼鏡をかけるだけで、真相を解明する能力。
(福沢の存在と異能力については別の記事で詳しく書いてあります)

ただこれは、異能だと思い込んでいただけで、本当は異能持ちではなく、推理力が人一倍優れているだけだった、
このことの経緯になる話の部分をまとめてみました。
3-1 「超推理」と言われる迄の乱歩 経緯をおさらい
乱歩はもともと、田舎育ちで両親の死をきっかけに就活のために横浜にでてきていました。
当時はおそらく14か15歳だった乱歩。
幼いながらに様々な仕事にチャレンジしようとしていました。
ですが自分自身の優秀さをわからないままだったので、周囲になじむことができないまま
どの仕事も長く続けることはできなかった。
徐々に自分を理解してくれる人はいない、と絶望の淵に沈んでいく乱歩。
そんな時に出会ったのが福沢社長。
まさに運命の出会いかもしれません。
それは福沢社長も、当時は正義でありたい、という悩みを抱えた状態でしたから。
それも別記事に詳しくありますが
とにかく、乱歩の頭脳を「能力だ」、と福沢社長は乱歩に言い聞かせる。
福沢はある事件をきっかけに、乱歩が優秀すぎるが故に、頬っておけば危険な存在にもなりかねないと心配していたから、
守らなければならない、とも思っていました。
乱歩を守るためには多くの武力が必要だった。
そうして福沢は乱歩を守るためにも、正義であるためにも、武装探偵社を設立することになる、ということなのです。

要するに、武装探偵社というのは、乱歩がその力を存分に発揮できるようにつくられた、乱歩のための組織なんだね。
乱歩のものは、異能というわけではなかった、という話としても理解できますね。
3-2 「超推理」乱歩とポー 内容をおさらい
「超推理」をもって、乱歩は武装探偵社のまさに頭脳という感じで働いている。
しかしこれは異能力ではない」と思われるシーンのおさらいをしていきます。
乱歩は自分の能力が異能ではないことを、ポオとの推理遊戯にて自覚したシーンがある、という話です。

ポオって、エドガー・アラン・ポーのことですね?江戸川乱歩のペンネームの元となった文豪ですよね。
武装探偵社は、警察と連携をとり、いくつもの事件を多く請け負っているなか、
警察がお手上げ、な事件ですら2万件以上も解決していますから
これは乱歩の貢献によるところが大きい、と言えるでしょう。
一方、武装探偵社は敵対組織にも狙われやすい。
ギルドと対立した時の事です。
ポオは、「モルグ街の黒猫」という自身が執筆した小説の世界に読者を引き込む異能の力があり、
乱歩な異能が発動できない推理小説の中に閉じ込められてしまう。
この異能の通用しないゲームでも、勝利したのです。
乱歩は自分の能力が異能力ではなく、ただの、ずばぬけた推理力だったという事に気付いて自覚する。
本人は、いまさら自分は一般人だったなんで格好がつかない、って認めようとしていなかったけれど
もちろん、異能者として武装探偵社のメンバーと歩んできた事への誇りというのもあったのでしょうね。
まとめると、ポオの、異能力がきかないという小説世界で、ある意味めちゃくちゃな設定の小説世界にいて、推理力で脱出したのですから、異能ではなかったということですね。
まとめ
さて、とりあえず今回は文豪ストレイドッグスの武装探偵社の頭脳ともいえる江戸川乱歩について、
もとネタと異能力について考えてきました。
乱歩の「超推理」を皆さんはどう思われたでしょうか?
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