「学問のすすめ」わかりやすく解説 内容17編を簡単に網羅

学問のすすめと言えば、明治時代にベストセラーになった本のタイトル。

「学問のすすめ」と言えば、著者は福澤諭吉。

福澤諭吉は明治時代の教育家、啓蒙思想家です。

「学問のすすめ」は正しくは「学問のすゝめ」と書きますが。

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という有名な文言で始まる本ですね。

この本に限らずですが、2024年の一万円札のお顔であった福沢諭吉(1835~1901)が考えたことばには、人生を変えるようなヒント沢山あります。

今回「学問のすゝめ」からにしますが。

ここでは「学問のすすめ」で統一させますね。

本のタイトルを含めて知っている方も多いかと思いますが、現代語にした本も少なく、
実際にはどんな良い内容なのかがよくわからないので、もっと簡単に知りたいという声も多いです。

「学問のすすめ」そこには、いったいどんなことが書いてあったのでしょう?

現代語で、わかりやすく簡単に読んでいきましょう!

「学問のすすめ」全17編の内容を簡単にわかりやすく解説

17編もあるって知ってましたか?

確かに本1冊になるくらいなので中身が17つぐらいあっても当然ですね。

実際に、 1872年に初編が発行され、1876年に第17編が完結します。

ということは、完成までに4年もかかっているんですね!

17編もありますから、簡単にと言ってもそれなりに長いということですね。

本の流れとしては、第1編から第3編までは、当時の小学生でもわかるような俗語と使って書かれています。

比較的読みやすいです。

第4編と第5編は学者(学問をしている立場のある人をさす)向けにかかれているものです。

少し難解になります。

だだし第6編から最後までは、また第一編と同じように俗語をつかって一般向けに書いている、という流れです。

項目をまとめてみました!

初編(第一)学問には目的があるということ
第2編 人間の権利
第3篇 国家の品格・愛国心とは
第4編 自分で率先して手本をみせていくこと
第5編 国を、世界をリードする人材に
第6編 文明社会になぜ法律が必要なのか
第7編 政府が横暴であれば説得をしたほうがいい
第8編 男女間の不合理、親子間の不条理
第9編より高いレベルを目指そう
第10編 長期的な視野に立つ
第11編 地位や身分の差とは
第12編 学問の本質とは
第13編 世の中の最大の悪は「怨望(えんぼう)」
第14編 人生設計の方法
第15編 判断力を鍛える
第16編判断力・行動力を的確に
第17編 人望とは

「学問のすすめ」初編 簡単に内容をわかりやすく解説

17編ある学問のすすめ、初編の冒頭は「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず、と言えり・・・」です。

この部分だけよむと、天が人をうみだすにあたっては、人には上下がなく、みな平等である、という意味としてとらえている人も多いです。

この言葉続く後の文章が、実もっとも大事で、そこに深い意味があります。

それを簡単に言うと、人の上に人を造らずというけれど、世の中には社会的地位の高い人もいれば、低い人もいる。

賢い人もいれば、愚かな人もいる。

その差や違いはどうして出来るのかと言えば、ただその人に学問をする力があるのか、ないのか、によって違いができたのである。

だから常に学び続ける事が大事だ、ということが一番伝えたいんだな!

人の地位や財産に、生まれつき上下はないけれど、
人の働き(学ぶことをするかしないか)次第で決まる、ということです。

簡単にまとめてみました

人間、生まれたときは誰でも平等なのです。

その後、学問をしっかりと学んで知識を高めた人は、豊かな人生を手に入れることができます。

生活力を身につけるため、
まずは「実用の学問」(①読み書き、そろばん➁地理学③物理学④歴史学⑤経済学⑥修身学など)を学ばなければなりません。

それには
西洋の書物を読み、事実を的確に押さえて、漢語(漢文調の難しい言葉)ではなくやさしい言葉で表現する事が大切です。

身分の差をなくすことは、個人の国家の「独立」へとつながります。

自分の置かれた位置を客観的にとらえ、他人に迷惑をかけずに生きることは、真の「自由」に繋がります。

「独立」と「自由」は、国にとっても大変重要なものです。

国民は努力をして才能と人徳を磨き、政府はそんな国民に頻繁に繁栄と平和を約束しなければいけません

ここでいう学問というのは、ただ難しい字を知って、分かりにくい昔の文章を読み、といった実用性の少ない学問の事を言っているのではないのです。

明治時代のベストセラーだけど、令和の現代にも通じる話なんじゃないかな

「学問のすすめ」第2編~第3編内容 簡単にわかりやすく解説

2-1 第2編 人間の権利

ただ単に文字をよむことが学問ではありません。たくさんの読んだかではなく、一番大切なのは学問の中に流されている精神を掴むことです。

せっかく平等の権利を以て生まれてきたのですから、学問をすることで才能と品格を磨き、政府と対等にわたりあえる実力を身につけましょう。

2-2 第3編 国家の品格・愛国心とは

国の名誉は、国民がいのちをかけて守るべきものです。他人を頼らずに生きることと、経済的に自立していることが、本物の愛国心を育むことに繋がります。

そしてそれは国家の独立にも繋がるのです。

日本は外国に対して、決して卑屈になる必要はありません。

「学問のすすめ」第4編~第5編内容 簡単にわかりやすく解説

3-1 第4編 自分から率先して手本をみせよう

内側に政府の声明浴、外側には国民の刺激といった具合に、政府と国民は人体のようなバランスで成り立っています。

洋学者たちは日本的な殻をやぶり、民間の立場で迫力のある活動を示す事です。

これまでのように受けから命令する形ではなく、自分が率先して手本を見せるほうが効果があります。

3-2 第五編 世界をリードする人材に

突然外国との交流がはじまったわけですから、恐れる気持ちが強いのは仕方がありません。
でも、自国の政府にも委縮しているようではいけません。

民間の組織で事業を盛り上げ、それを政府が保護するのが理想の形です。

商売・法律・工業・著述・翻訳・新聞など、これからの日本は、様々な分野で世界をリードする人材を生み出すことです。

「学問のすすめ」第6編~第8編 内容簡単にわかりやすく解説

4-1 第6編 なぜ法律が必要なのか

政府は国民の代理人として、悪をさばき善人を保護します。

国民は法律という約束で、政府の保護を受けます。法律の不備を正したいと思うなら、論じ合い、訴えることです。

暗殺やかたき討ちは、本来のとるべき方法の分からない人がやることです。

それで幸福になった例はありません。

4-2 第7編 政府が横暴なら説得するのがよい

国民は政府の横暴さに屈してはいけません。

しかし、内乱は不幸でしかありません。

どんなときも、物事の「道理」を信じることです。

圧力に耐え、身を捨て、静かに説得する、それが最良の道なのです。

4-3 第8編 男女とも役割は同じ

人間は欠くことのない5つの性質があります。

①身体➁知恵③情欲④誠実さ⑤意志です。

これらを自在に使うことで、自己の独立がかないます。

また、男性も女性も人間ですから、役割は同じです。

体力的な差から、男女差別が生まれてしまった事は、あまりにも男性側の一方的な考え方でした。

「学問のすすめ」第9編~第11編内容 簡単にわかる解説

5-1 第9編 より一層高いレベルを目指す

私たちの仕事は、今日この世の中に生きた証を残し、これを後世の子孫に伝えることです。

明治維新の変動は、戦争によるものではなく、文明にうながされた人心の変動です。

つまり今こそ大きなチャンスです。

自分の生活の安定だけで満足するのではなく、社会の発展に尽くすという、もう一段高いレベルを目指してください。

5-2 第10編 長期的な視野に立つ

個人の経済的な成功と社会への貢献、両方の義務を果たすためには、まずしっかり学問をおさめることです。

外国崇拝は、一時の事にすぎません。

長期的な視野に立ち、知力で外国に挑み、本物の成功を収める、こんな好機は今をおいてほかにありません。

5-3 第11編 地位や身分の差とは

地位や身分の差とは、人の想像がつくりだしたものではないでしょうか。

重要なのは職務ができるかどうかであって、身分の差によりかかった、ひとりよがりほど無責任なものはありません。

 

5-4 第12編 学問の本質とは

学者は①観察➁推論③読書による蓄積④議論による意見交換⑤著作や演説による広報、

これらを駆使して、より高い段階を目指さなくてはいけません。

自己満足はいけません。

学問の本質は、自分がそれをどう活用し、どう社会に応用するかです。

自分の考えをより多くの人に伝えるため、演説では話す速度と抑揚が大切です。「学問のすゝめ」

「学問のすすめ」第13編~第15編 内容を簡単に解説

6-1 第13編 世の中の最大の悪は怨望(えんぼう)

人生をいきいきと生きるためには、自由にものを言い、働い、その結果は、本人が選び取ったものであるべきです。

不平を満足させるために、他人を不幸におとしいれようとする「怨望(怨望)」は、悪徳以外のなにものでもありません。そして、その原因は自由の束縛にあるのです。

6-2 第14編 人生設計の方法

人生は計画通りにいかないものです。

ときには、自分が今までにできたこと、できなかったことを、商売なぞらえて損得の計算をしてみましょう。

① 自分はどんな仕事をし、学問をし、どれくらい成功したか?
➁どんな品物を仕入れ、どう売り、どう活用するつもりか?
③心という店の戸締りはちゃんとできているか?
④道楽や怠け心で経理に穴があいたことはないか?
⑤来年も同じ経営法で大丈夫か?

他に工夫はないか?
時の流れに任せ、成り行きで生きるのではなく、人生の棚卸をする事が必要なのです。

 

6-3 第15編 判断力を鍛える

文明の進歩とは、疑いを持つ精神から真理を発見することです。

一つの学生がでれば、新説が反論するという具合に、学問は何を疑うのか判断力を養うことにあります。

西洋と日本の文明を比較して、信じるに足るものを選び取ることが大切です。

 

「学問のすすめ」第16編~第17編 内容を簡単に解説

7-1 第16編 判断力・行動力を的確に

独立には「モノについての独立」「精神についての独立」があります。

物についての独立は、他人の世話になることなく、自分や家族の生活を営むというもの。

精神の独立とは、物欲に支配されない、地に足のついた生活のことです。

お金の使い道を工夫することが大切で、お金に支配されるようではいけません。

高い理想をもって判断力・行動職を的確にすること。

また理想だけ高くても、行動力が伴わなわなくはいけません。

もし他人の仕事が不満なら、自分でやってみることです。

他人の行動に口を出したいならば、自分をその立場において振返ってみてください。

7-2 第17編 人望とは

人望とは、その人の才能と知恵の働きと、正直な心がつくるものです。

それは誠実さを積み重ねることで少しずつ得られるものです。

生き生きとした人間社会に参加し、人と交わるためには、

①言葉を効果的に使う

➁明るい顔で人と付き合う

③古い友を忘れず、新しい友も求めて交際を広げる、ということが大切です。

 

 

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